公的医療保険の自己負担軽減~ジェネリック、難病や子どもへの医療費助成制度~

医療保険について多くの方に知って頂くために、弊社のホームページでは「医療保険とは?」について複数回にわたり記事を記載します。

今回の内容

①ジェネリック医薬品
②指定難病医療費助成制度
③子ども医療費助成制度

①ジェネリック医薬品

ジェネリック医薬品は後発医薬品とも言います。
ジェネリック医薬品は、新薬の特許期間がきれた後に、新薬と同じ有効成分を使用している医薬品で、同等の効果があり、新薬と比べると薬代が安くなります。

【ジェネリック医薬品の効き目や安全性に対して】
効き目や安全性が新薬と同等である事を、国が厳しく審査して承認された医薬品です。

【ジェネリック医薬品の薬代が安い理由】
新薬には多額の研究開発費がかかっています。
その研究開発費の分を含めて新薬の価格は設定されています。
特許期間がきれたあとなので、ジェネリック医薬品の場合は研究開発費分の経費を大幅に軽減できるので、薬代が安くなります。
また薬代が安いという事は自己負担軽減だけではなく、国全体の医療費軽減にもつながります。

【ジェネリック医薬品を依頼するには】
医師・薬剤師に直接伝えて下さい。
また保険証やおくすり手帳にジェネリック医薬品希望のシールを貼ってもいいです。

②指定難病医療費助成制度

難病の患者様に対する医療費を助成する制度です。

【対象となる指定難病】
長期の療養を必要とする指定難病が対象となります。
指定難病の対象疾患は2021年11月から338疾病に拡大しています。
対象疾患が、どの疾患かは下記のURLを参照ください。
医療費助成制度周知用資料:厚生労働省』
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/nanbyou/index.html
都道府県・指定都市から指定された難病指定医に限り、申請に必要な診断書の記入が出来ます。
また疾患の診断名が出る事だけではなく、病状として「重症度分類等」に照らして病状の程度が一定程度以上の場合が対象です。
重症度分類は「個々の指定難病の特性に応じ、日常生活又は社会生活に支障があると医学的に判断される程度」かどうかで判断されます。

【対象となる指定医療機関】
病院、薬局、訪問看護ステーションです。
この指定医療機関から提供される医療は特定医療と言います。

【自己負担額の基準について】
自己負担額に関しては所得や内容によって基準が異なります。

引用元:指定難病患者への医療費助成制度のご案内、難病情報センター
https://www.nanbyou.or.jp/entry/5460#shiteii
③子ども医療費助成制度

怪我や病気に対しての『療養の給付』は年齢によって自己負担額が異なります。
『出生~小学校入学前』  2割
『小学校入学後~64歳』 3割
詳しくは下記の別の記事をご参照ください。↓
『公的医療保険の給付の種類~病気や怪我の療養に対して~』
https://www.occasione.co.jp/2022-8-16/
つまり、子どもに対する医療費の自己負担は本来2割か3割です。

少子化の現代で、安心して子育てが出来るように医療費の助成制度があります。
子ども医療費助成制度は『乳幼児医療費助成制度』と『義務教育就学児医療費助成制度』の総称です。

これらの制度は地方自治体がそれぞれで行っています。
なので対象となる子どもの年齢や医療費の範囲、所得制限や一部負担の有無などは異なります。
気になる方はお住いの『地方自治体名+こども医療費助成制度』と検索したり、問い合わせをされたらよろしいかと思います。

今回のまとめ

今回は『公的医療保険の自己負担軽減の制度~ジェネリック、こどもや難病の助成金~』について説明しました。

重要な点としては…
「ジェネリック医薬品は、新薬の特許期間がきれた後に、新薬と同じ有効成分を使用し、新薬と同様の効き目と安全性を認められた医薬品」
「ジェネリック医薬品は、研究開発費を大幅に軽減できるため薬代が安くなり、自己負担だけではなく国全体の医療費軽減にもつながる」
指定難病医療費助成制度指定難病の対象疾患の診断を受けて、重症度分類等の一定基準以上の方が対象の医療費助成制度」
「指定難病助成制度では病院・薬局・訪問看護ステーションの自己負担分を合算し、所得や内容に応じた自己負担額の上限までを支払う
「子ども医療費助成制度は各地方自治体で行っている制度で、対象年齢・所得制限・一部負担などは自治体で異なるが、子育てを安心して行えるように設けられている助成制度」
という事です

国民皆保険制度なので、生まれた時から公的医療保険があるのは当たり前と思ってらっしゃる方は多いでしょう。
今回の記事が皆様にとって、改めて公的医療保険について学ぶ機会になれば幸いです。

参考文献

『ジェネリック医薬品とは、健康保険組合連合会 けんぽれん(下記URL)』
https://www.kenporen.com/health-insurance/shussan-ikuji/
『難病対策、厚生労働省(下記URL)』
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/nanbyou/index.html
『指定難病患者への医療費助成制度のご案内、難病情報センター(下記URL)』
https://www.nanbyou.or.jp/entry/5460#shiteii
『東京都こども医療ガイド、東京都福祉保健局(下記URL)』
https://www.guide.metro.tokyo.lg.jp/vaccination/jyosei/index.html

『医療保険とは?』に関する他の記事

『医療保険の概要~公的医療保険制度を中心に~』
https://www.occasione.co.jp/2022-8-9/
『公的医療保険の給付の種類~病気や怪我の療養に対して~』
https://www.occasione.co.jp/2022-8-16/
『公的医療保険の給付の種類~傷病手当金、出産や埋葬に対して~』
https://www.occasione.co.jp/2022-8-23/