リハビリテーションの種類~病期別・保険制度別・専門職について~

理学療法士として現場で働いていた時にあったのは『リハビリテーションに対する誤った認識』です。
『リハビリテーションって何?』を理解していないまま提供を受けている。または提供を拒否するケースがありました。リハビリテーションについて多くの方に知って頂くために、弊社のホームページでは「リハビリテーションとは?」について複数回にわたり記事を記載していきます。

今回の内容

①病期別リハビリテーションの種類
②保険制度別リハビリテーションの種類
③リハビリテーション専門職の種類

①病期別リハビリテーションの種類

病期別のリハビリテーションです。時期によって呼び名が変わります。
急性期、回復期、生活期、終末期と移行していきます。

【急性期】
急性期は発症・受傷・手術直後に全身状態に留意しながら、機能維持を目的にリハビリテーションを行います。
点滴や検査機器のチューブがある中でベッド上でリハビリしているとイメージしたらわかりやすいと思います。
安静も体が衰えるので、リスク管理をしながら出来る限りの事を行います。

【回復期】
回復期は病状が安定した後に、集中的に機能・能力を向上させて、社会復帰が出来るようにリハビリテーションを行います。
急性期の病棟から回復期の病棟に変わったり、回復期の病院に転院したりして行います。
リハビリ室に移動して白衣を着た職員と一緒に平行棒で歩いたり、大きなボールを使ったりというのがイメージしやすいと思います。

【生活期】
生活期は病院を退院し、機能・能力を維持しながら、在宅や施設に住んで、社会での生活を送りつつリハビリテーションを行います。
介護保険でのリハビリテーションが一番当てはまります。また住宅の環境整備や地域の取り組みの参加、普段の買い物などの生活全般を含めて生活期のリハビリテーションです。
ただ、近年は入院期間が短縮されています。以前だったら回復期の病院に入院していたような方も在宅復帰されているケースはあります。
生活期とはいえ、維持だけでなく回復するのではという視点も必要です。

【終末期】
終末期は病気により余命が僅かの方に対して、人生の最期を支援するためにリハビリテーションを行います。
例えば最期まで自分でトイレに行くというのも、ご本人の尊厳を守ります。
また寝たきり状態になったとしても、残された時間を出来る限り安楽に過ごせるように支援する事も大切です。

②保険制度別リハビリテーションの種類

医療保険のリハビリテーションと介護保険のリハビリテーションについて説明します。

医療保険の疾患別リハビリテーション

【心大血管疾患リハビリテーション】
心臓や血管に対しての疾患です。

【脳血管疾患等リハビリテーション】
脳や脊髄などに対しての疾患です。

【廃用性症候群リハビリテーション】
急性期の時に安静にしていたことがきっかけで体が衰えている場合が定義です。
少し特殊で、脳血管疾患等リハビリテーションの申請を出していないと申請できないのでこのような表記になります。

【運動器リハビリテーション】
骨や筋肉など、整形外科疾患に対してです。

【呼吸器リハビリテーション】
肺など呼吸に対しての疾患です。

他には【難病患者リハビリテーション】【障害児(者)リハビリテーション】【がん患者リハビリテーション】【認知症患者リハビリテーション】があります。

≪医療保険の場合の注意点≫

➀施設基準をクリアして届け出を出した医療機関でしか受けれません。
例えば、脳血管疾患等と運動器は受けれても、呼吸器の届け出をだしてない病院では呼吸器のリハビリテーションを受けれません。
入院した時に受けたい場合は事前にホームページで調べるか、先生に紹介してもらえるように頼むといいでしょう。

②リハビリテーションを受けれる日数に制限があるものがあります。
心大血管疾患で150日、脳血管疾患等で180日、廃用性症候群120日、運動器で150日、呼吸器で90日です。(この記事作成時の日数)
一応、医師が延長したことで回復の効果があると判断した場合は延長することが可能ですが、入院時の頻度や時間に比べると制限があります。
介護保険を持たれている方は、介護保険でリハビリテーションを受けるように促されます。

介護保険のリハビリテーション

【介護老人保健施設】
要介護1~5の方が対象です。
3~6か月間の一定期間の施設入所して生活をし、在宅への復帰を目標として、施設内で医療ケアとリハビリテーションを受けます。

【通所リハビリテーション】
要支援1・2(介護予防)、要介護1~5の方が対象です。
自宅から通って受けるリハビリテーションです。
多くの方は送迎の車に乗って通います。
病院の時と同じように担当者との個別の時間はあります。
他の特徴としては筋トレマシンや、温める物理療法など施設内での機械の利用もします。
また複数の利用者様が参加する集団リハビリテーションによって体操だけでなく交流を行います。
そして、通う事自体が自宅内でのひきこもりを予防します。

【訪問リハビリテーション】
要支援1・2(介護予防)、要介護1~5の方が対象です。
自宅に担当者が訪問して受けるリハビリテーションです。
担当者の個別以外に特徴として実際の生活の場面での動作訓練・動作指導を受けれます。
また自宅内の環境整備についての助言を受けやすいです。
身体・精神・性格的に集団の場へ行く事が困難な場合にも受けれます。

≪介護保険の注意点≫

➀訪問リハビリテーションを除き介護度によって費用が変わります。
要介護1よりも要介護3、要介護3よりも要介護5の方が料金は高くなります。

②介護保険の単位数次第では受けれる頻度が少ない、又は受けれない事があります。他のサービス併用しているときは特に注意です。
例えば要介護1になった時に、月に使える単位数の上限があります。訪問介護や訪問看護に多くの単位数を使用したとします。
状態としては週2回はリハビリを受けた方が良い方も、単位数の都合で週に1回という事があります。

*介護保険に関しては弊社の記事で『介護保険』というカテゴリーで複数回の記事で説明しています。ご興味があればご覧ください。
https://www.occasione.co.jp/category/kaigohoken/

③リハビリテーション専門職の種類

リハビリテーションの専門職は、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士があります。
それぞれの専門性について簡潔に説明します。

【理学療法士】
関節・筋力の身体機能、起き上がり・立ち上がり・歩行等の基本動作です。

【作業療法士】
ADL動作全般、精神障害に対してもアプローチです。

*専門性と言いましたが、理学療法士もADLについて学び業務をしていますし、作業療法士も身体機能について学び業務をしています。重なっている部分があるんですね。そこはご了承ください。

【言語聴覚士】
話す・聞くのコミュニケーション、食事の噛む動作である咀嚼と、飲み込みの事である嚥下についての専門職です。

今回のまとめ

今回はリハビリテーションの種類~病期別・保険制度別・専門職について~について説明しました。

重要な点としては「病期別には急性期、回復期、生活期、終末期がある」「医療保険では疾患別リハビリテーション、介護保険ではサービス内容によってリハビリテーションの種類がある」「リハビリテーション専門職は理学療法士、作業療法士、言語聴覚士」という事です。

弊社の「リハビリテーションとは?」という記事が皆様の認識に良い影響を与え、社会全体としてリハビリテーションに取り組めれる機会になれば幸いです。

参考文献

『松澤 正 著、理学療法評価学 第2版、金原出版株式会社、2004年』

『三上真弘・石田 暉 編集、リハビリテーション医学テキスト 改訂第2版、南江堂、2005年』

『理学療法科学学会 監修、理学療法科学シリーズ 理学療法概論 第6版、アイペック、2013年』

『ケアマネジャー試験対策研究会 著、福祉教科書 ケアマネジャー完全合格テキスト 2017年版、翔泳社、2016年』

『個別事項(その1)(リハビリテーション、医薬品の効率的かつ有効・安全な使用)、厚生労働省、2019年』
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000548708.pdf

『【テーマ3】リハビリテーション 参考資料、厚生労働省、2017年(下記URL)』
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000162530.pdf

『PT-OT-ST.NET、第7部リハビリテーション 令和4年診療報酬改定 (下記URL)』
https://www.pt-ot-st.net/contents4/medical-treatment-reiwa-4/department/568

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