介護に関連する問題~超高齢社会について~

日本では様々な『介護に関連する問題』が生じています。
現在は介護を行う・受ける必要がない方でも、将来的に介護を行う・受ける機会が起こりうるので、皆様にとって身近な問題です。
介護に関連する問題について多くの方に知って頂くために、弊社のホームページでは『介護に関連する問題』について複数回にわたり記事を記載しています。

今回の内容

①高齢化社会・高齢社会・超高齢社会の定義
②日本における超高齢社会の動向
③世界における高齢化の動向

①高齢化社会・高齢社会・超高齢社会の定義

学校の社会の授業やニュース・新聞などで『高齢化社会』『高齢社会』『超高齢社会』を聞いた事がある方は多いと思います。
ただ、それぞれの定義について詳しく知らない方はおられるかもしれませんので説明いたします。

まず『人口に対する高齢者の割合(高齢化率)が何%以上なのか?』によって『〇〇社会』の呼び方が変わります。
この『高齢者』の定義に関しては65歳以上となっています。
なぜ65歳以上なのかというのは、1956年の国連の報告書で書かれていたのが由来と言われています。

では、それぞれの定義について説明します。

【高齢化社会】
高齢化率が7%以上

【高齢社会】
高齢化率が14%以上

【超高齢社会】
高齢化率が21%以上

②日本における超高齢社会の動向

日本の高齢化率は令和2年(2020年)で28.8%です。
つまり日本は『超高齢社会』です。

日本において特筆すべき点は『高齢化率の上昇のスピードが速かった』点です。
昭和45年(1970年)に高齢化率は7%を超えて高齢化社会、平成6年(1994年)に高齢化率は14%を超えて高齢社会、平成19年(2007年)に超高齢社会となっています。
7%から14%になる年数は下記の図のとおり、他の国と比べると速いです。

引用元:厚生労働省 今後の高齢者人口の見通しについて
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/chiiki-houkatsu/dl/link1-1.pdf
今後の日本の高齢化の動向

2025年には『団塊の世代』が後期高齢者(75歳以上の高齢者)となると言われており、「65歳以上の高齢者は3677万人(全人口の30.3%)」で「75歳以上の高齢者は2180万人(全人口の17.8%)」と言われています。
高齢化率は年々上昇し、予測として2055年には39.4%と言われています。

引用元:厚生労働省 今後の高齢者人口の見通しについて
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/chiiki-houkatsu/dl/link1-1.pdf
日本の高齢化率上昇の背景

①平均寿命が延びてきている
平成2年(1990年)男性75.92歳、女性81.90歳でしたが、令和元年(2019年)で男性81.41年、女性87.45年となっています。
令和47年(2065年)には男性84.95年、女性91.35年となると予測されています。

引用元:内閣府 令和3年版高齢社会白書
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2021/zenbun/03pdf_index.html

②少子化の進行による若年人口の減少
高齢化率は「人口に対する高齢者の割合」なので、若年層の人口が少なければ高齢化率は高くなります。
少子化の背景には「未婚」「晩婚」があると言われています。

高齢者像の変化

序盤で説明した通り、『高齢者』の定義は65歳以上というのは1956年の国連の報告書で書かれていたのが由来と言われています。
ただ現代において、65歳からが高齢者なのか?という事に関しての認識が変わりつつあります。
65歳から74歳の方でも心身の健康が保たれ活発な方もおられるので、65歳からが一律に高齢者と呼ぶのどうなのかという議論が出てきています。

③世界における高齢社会の状況

上記の内容で引用した図(高齢化の進行に関する国際比較)でもわかるとおり、世界において日本は高齢化率の高い国です。
ただ日本だけではなく、世界全体においても高齢化は進んでいます。
令和42年(2060年)には世界人口に対する高齢化率は17.8%にまで上昇する見込みとなり、世界全体が高齢社会という事になります。
下記の引用した図でわかるとおり、先進国で超高齢社会になっている国々も多くなる見込みです。

引用元:総務省統計局 国際比較でみる高齢者
https://www.stat.go.jp/data/topics/topi1135.html
今回のまとめ

今回は『介護に関連する問題~超高齢社会について~』を説明しました。

重要な点としては…
「高齢化率は人口に対する65歳以上の高齢者の割合」
「高齢化社会は高齢化率7%以上、高齢社会は高齢化率14%以上、超高齢社会は高齢化率21%以上」
「日本は超高齢社会で、今後も高齢化率は上昇する見込み」
「高齢化率の上昇は、平均寿命が延びている事と、少子化による若年人口の減少が要因」
「日本だけではなく、世界的にも高齢化は進んでいる」
という事です。

日本の中では超高齢社会によって、様々な『介護に関連する問題』があります。
世界においても高齢化が進んでいる事から、『介護に関連する問題』へのアプローチは日本だけではなく、世界に対しても良い影響を与えるのではないかと考えられます。

参考文献

『令和3年版高齢社会白書、内閣府、2021年(下記URL)』
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2021/zenbun/03pdf_index.html
『令和2年版厚生労働白書-令和時代の社会保障と働き方を考える-、厚生労働省、2020年(下記URL)』
https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/19/index.html
『高齢化社会とはどういうことですか。千葉県庁、2021年(下記URL)』
https://www.pref.chiba.lg.jp/kenshidou/faq/083.html
『今後の高齢者人口の見通しについて、厚生労働省(下記URL)』
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/chiiki-houkatsu/dl/link1-1.pdf
『国際比較でみる高齢者、総務省統計局、2018年(下記URL)』 
https://www.stat.go.jp/data/topics/topi1135.html

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